📌 この記事が30秒でわかる!3行まとめ
- NHK ONEは2025年10月スタート。放送法改正を受けNHKのネット配信が「必須業務」になったことが背景。
- テレビ契約世帯は追加0円、テレビなし世帯は月額1,100円——スマホだけでも受信料が発生する新ルール。
- W杯で見られるのは104試合中33試合のみ。NHKとDAZNが放映権を分担している仕組みを知っておこう。
ワールドカップ2026が近づくにつれて、「NHK ONE」という言葉をよく耳にするようになりました。
「NHKのアプリ?」「NHKプラスと何が違うの?」「テレビがなくても使えるって本当?」
そんな疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。
NHK ONEは単なる「NHKのスマホアプリ」ではなく、放送法の改正という大きな制度変更を背景に生まれたサービスです。W杯をきっかけに注目が集まっている今だからこそ、その仕組みと背景を整理してみましょう。

NHK ONEが生まれた背景——放送法改正とテレビ離れ

2025年10月スタート、「必須業務」になったとは?
NHK ONEは、2025年10月に正式スタートしたNHKのインターネットサービスです。
スタートの背景にあるのが、放送法の改正。これまでNHKのネット配信は「放送の補完」として位置づけられ、いわゆる「任意業務」でした。それが改正後は「必須業務」に格上げされました。
「必須業務」とは、法律上NHKが必ずやらなければならない事業のこと。つまり、ネット配信が「やってもいい」から「やらなければならない」に変わったのです。この変化が、NHK ONEという形での本格的なサービス展開を後押ししました。
テレビ離れが加速、NHKがネット配信に踏み出した理由
なぜNHKがここまでネット配信に本腰を入れるようになったのか、その背景にはテレビ視聴者数の減少があります。
スマートフォンやサブスクリプション動画サービスの普及で、特に若い世代を中心にテレビを持たない世帯が増えています。公共放送としてのNHKは「あまねく国民に情報を届ける」使命を持つため、テレビがない人にも番組を届ける必要があると判断したのです。
「テレビを持っていない人には届かない」という状態が続けば、公共放送としての役割そのものが問われることになります。
NHKプラス・NEWS WEBなど複数サービスを統合した新形態
NHK ONEの特徴のひとつが、これまで複数に分かれていたNHKのネットサービスをひとつにまとめた点です。
- NHKプラス(テレビ番組の同時・見逃し配信)
- NHK NEWS WEB(ニュース記事・動画)
- NHKラジオ(らじる★らじる)
- NHKオンデマンド(有料の見逃し・アーカイブ配信)
これらがNHK ONEという一つのプラットフォームに集約されることで、利用者がひとつのアプリで完結できる体制を目指しています。
受信料との関係——テレビがない人も対象になった?

テレビがある世帯は追加0円の理由
すでにNHKと受信契約(テレビの受信料を支払っている)をしている世帯は、NHK ONEの利用に追加費用は一切かかりません。
これはNHKのネット配信が「放送の延長線上にあるサービス」として位置づけられているためです。受信料の範囲内でネット配信も提供するという考え方のもと、既存の契約者はそのまま使えるようになっています。
つまり「テレビで見られるものはスマホでも見られるようにした」と理解するとわかりやすいでしょう。
スマホだけでも月額1,100円の新ルール
一方で、テレビを持たずスマートフォンやパソコンだけで生活しているという方にとっては、大きな変化があります。
2025年10月以降、テレビを持っていなくても、NHK ONEのネット専用契約(月額1,100円)を結ぶことでサービスを利用できるようになりました。料金はテレビ受信料(地上契約)と同額です。
「スマホだけなのにテレビと同じ料金?」と感じる方もいるかもしれませんが、現行制度ではネット視聴もテレビ視聴も同等の契約形態として扱われています。この点については、導入当初から賛否両論があります。
362万アカウントが示す普及の実態
NHK ONEのアカウント数は、2026年3月末時点で362万件に達しています。
サービス開始から約半年でのこの数字をどう見るかは難しいところですが、NHKはこれを「接点拡大のフェーズに入った」と評価しています。2026年はUI・UXの改善やNHKオンデマンドとの連携強化に注力する方針を示しており、まだサービスとして成長途上の段階といえるでしょう。
362万アカウントの普及率を実際に計算してみた
「全国のテレビ受信料契約世帯数(約4,000万件超)に比べると一割に満たない」と記事にありましたが、私は具体的に何%なのか、実際に割り算してみました。
362万を4,000万で割ると、私の計算ではおよそ9.05%。記事の「一割に満たない」という表現は、数字で見てもほぼその通りでした。
私がこうして正確な数字を出してみると、「接点拡大のフェーズ」という表現の意味がより具体的に見えてきました。10人に1人にも届いていない段階だからこそ、NHKが2026年もUI・UX改善に力を入れているのだと、私は納得しています。
W杯2026で何が見られる?放送権と配信の仕組み

全104試合のうちNHKが持つのは33試合
ワールドカップ2026は104試合が開催されますが、NHK ONEで視聴できるのはNHKが放送権を持つ33試合に限られます。
「NHKのアプリだから全試合見られる」というわけではありません。スポーツの国際大会における放映権は試合ごとに複数の放送局・配信サービスが分担して取得する仕組みになっており、NHKが権利を持つ試合だけが配信対象となります。
なぜ全試合は無料で見られないのか——放映権の構造
スポーツの国際大会の放映権は、FIFA(国際サッカー連盟)などの主催団体が各国の放送局・配信サービスに対して販売しています。
日本では、NHKとDAZNが放映権を分担取得している形です。NHKが取得した試合はNHK ONE(無料)で視聴でき、DAZNが取得した試合はDAZN(有料サブスクリプション)で配信されます。全試合を視聴したい場合は、両サービスを組み合わせる必要があります。
放映権の価格は年々上昇しており、一局だけが全試合の権利を取得することが難しくなっているのが現実です。
DAZNとの分担はどうなっている?
現在の構図を整理すると——
- NHK(地上波・NHK ONE):33試合(開幕戦・日本戦の一部・準決勝・決勝など)
- DAZN:残りの71試合
日本代表のグループリーグ3試合についても、NHKが放映するのは2試合で、1試合(チュニジア戦)は日本テレビ系が担当しています。W杯を追いかけるためには、複数サービスの組み合わせが前提となる時代になっています。
テレビ放送と何が違う?NHK ONEならではの特徴

同時配信・見逃し配信の仕組み
NHK ONEでは、テレビ放送と同時にネットでも配信する「同時配信」と、放送後に一定期間視聴できる「見逃し配信」の両方を提供しています。
同時配信は文字通りテレビと同じタイミングで配信されるもの。見逃し配信は放送後おおむね1週間程度見られるケースが多いですが、番組や放映権の条件によって配信されない場合もあります。
場所を選ばず好きな時間に見られるという点は、テレビにはない利点です。
マルチアングルや4K——テレビより便利な点も
NHK ONEには、テレビ放送では実現しにくい機能も一部提供されています。
たとえばスポーツ中継では、複数のカメラアングルを視聴者が選べる「マルチアングル配信」の実験的な試みもあります。また4Kコンテンツへの対応も進んでいます。
こうした機能は今後さらに拡充される見込みで、「ネットのほうがテレビより便利」という場面が増えてくるかもしれません。
著作権の壁で見られないコンテンツがある理由
一方で、テレビでは放送されたのにNHK ONEでは見られないコンテンツもあります。
その主な理由が著作権です。音楽や映像の著作権の取り扱いは放送と配信で異なる場合があり、放送時に使われた楽曲や映像素材がネット配信では使用できないケースがあります。番組によってはネット配信版で一部シーンがカットされたり、そもそも配信されないケースもあります。
2026年以降のNHKとネット配信のこれから

「接点拡大フェーズ」NHKが目指す姿
NHKは2026年を「接点拡大のフェーズ」と位置づけています。
362万アカウントという数字は、まだ全国のテレビ受信料契約世帯数(約4,000万件超)に比べると一割に満たない水準です。NHKとしては、より多くの人がNHK ONEを通じてNHKのコンテンツに触れる機会を増やすことを課題としています。
登録のしやすさ改善や、UIの使いやすさ向上が具体的な取り組みとして挙げられています。
NHKオンデマンドとの連携はどうなる?
NHKオンデマンドは、過去のドラマや特集番組をアーカイブとして有料視聴できるサービスです。
NHK ONEとの連携が進む中で、「NHK ONEから過去作品を探してNHKオンデマンドで視聴する」という流れが整備されつつあります。ただしNHKオンデマンドは別途料金が発生するサービスであり、NHK ONEと完全に統合されるわけではありません。無料と有料の境界線が利用者にとってわかりにくい点は、今後の課題ともいえます。
公共放送がネット化することで私たちの暮らしに何が変わる?
NHK ONEの登場が示す変化は、「公共放送はテレビで見るもの」という前提の変容です。
スマートフォンやタブレット、パソコンが主要な情報端末になる中で、公共放送もその場に存在することが求められています。ニュース・災害情報・医療・教育といったNHKが得意とするコンテンツが、より手軽に届くようになることは、暮らしの情報環境として見れば意義のある変化といえるでしょう。
一方で、テレビを持たなくても受信料が発生するという新ルールは、家計の観点からも引き続き注目すべきテーマです。
Q&A

Q. NHK ONEとNHKプラスは別のサービスですか?
A. NHKプラスはNHK ONEに統合されました。NHK ONEはNHKプラス・NEWS WEB・らじる★らじるなど複数のサービスを一本化した新プラットフォームです。
Q. NHK ONEはいつから始まりましたか?
A. 2025年10月に正式スタートしました。放送法改正によりNHKのネット配信が「必須業務」に位置づけられたことが背景にあります。
Q. テレビがなければNHK ONE は無料で使えますか?
A. テレビを持っていない場合は、月額1,100円のネット専用契約が必要です。テレビ受信料を支払っている世帯は追加費用なしで利用できます。
Q. NHK ONEで全試合のW杯を視聴できますか?
A. できません。NHKが放映権を持つ33試合のみが配信対象です。残りはDAZNなど別サービスで配信されています。
Q. NHK ONEとNHKオンデマンドの違いは何ですか?
A. NHK ONEは受信料の範囲内で使える無料サービス(テレビなし世帯は月額1,100円)。NHKオンデマンドは過去作品を見るための別途有料サービスです。
まとめ
NHK ONEについて、整理するとこのようになります。
- 放送法改正を受け、2025年10月にスタートした公共放送のネット配信サービス
- テレビ契約世帯は追加0円、テレビなし世帯は月額1,100円の新ルール
- W杯で見られるのはNHKが放映権を持つ33試合のみ
- 同時配信・見逃し配信に加え、マルチアングルなどテレビにはない機能も
「NHK ONE」という名前の背景には、テレビ離れへの対応と公共放送の使命という大きな文脈があります。W杯をきっかけにサービスを知った方も、ぜひこの機会に仕組みを理解しておくと、今後の利用もスムーズになるでしょう。
参考・出典
本記事は、NHK公式情報、NHK ONE・NHKプラスに関する案内、FIFAワールドカップ2026の公式情報、放送・配信に関する報道をもとに作成しています。
- NHK|新インターネットサービス「NHK ONE」に関する公式案内
- NHK|10月1日からの変更点とお願い
- NHKプラス|アプリ・サービス概要
- FIFA公式サイト|FIFAワールドカップ2026 試合日程・大会情報
- ケータイ Watch、GOAL JapanなどのW杯2026視聴方法に関する報道
NHK ONEで視聴できる番組は、NHKが放送・配信する対象番組に限られます。W杯2026の試合も、放送局・配信権・試合ごとの中継予定によって視聴可否が変わるため、最新情報はNHK公式サイトや各配信サービスの公式発表をご確認ください。
